修了生メッセージ

吉岡 浩太さん 平成21年3月修了 (JICA シャーガス病対策プロジェクト専門家 ニカラグア)

2014_4村の民家の軒下で、揺り椅子を借りて一休み。そこへ鶏がひょいと上がってきて、掃除が行き届いたタイル貼りの床に糞をする。ふと老婆があらわれて、かまどの灰を糞にかけ、ほうきでさっと掃く。鶏糞は水分を多く含むのでベチャつくが、灰をかけると固まって掃き出せる。こんな日常の知恵を垣間見ることができるのも、現場の楽しみのひとつ。
研究科を修了して以来、中米ニカラグアでのシャーガス病対策に携わっています。地方の保健施設を巡回したり、村々での活動に同行して技術指導したり、現場からのデータをまとめて報告書を作ったり、プロジェクト関係者と協議したり…という毎日です。
長崎の国際健康開発研究科を出て早4年。大学で実践を教える、というどこか矛盾した研究科の理念は、実は高度に知的な挑戦でもある、と最近思っています。実践的な人材を育成するには、現場で必要な知とは、その知を生み出す作法とは、という問いに向き合わなければなりません。鶏を眺めながら、そんな問いを自分に投げてみる。これもまた、現場の楽しみのひとつ。

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