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教員紹介

錦織 信幸 教授

専門・研究テーマ・キーワード
グローバルヘルス 、公衆衛生政策・戦略、結核対策、社会起業
担当課程
博士前期課程専任教員博士後期課程専任教員

取得学位・資格

  • 公衆衛生熱帯医学ディプロマ
  • 疫学修士
  • 熱帯医学国際保健修士
  • 医学博士（疫学）
  • 医師
    日本医師会認定産業医

ResearchGate/LinkedInアカウント

https://www.researchgate.net/profile/Nobuyuki-Nishikiori

経歴

  • 創業者・代表社員、合同会社Glocal Commune（日本）（2022年～現在）
  • メディカルオフィサー、世界保健機関（WHO）本部・結核対策部（スイス）（2017年～2022年）
  • 結核・ハンセン病対策コーディネーター、WHO西太平洋地域事務所（フィリピン）（2014年～2017年）
  • 課長補佐・国際協力専門官、厚生労働省（日本）（2012年～2013年）
  • メディカルオフィサー、WHO西太平洋地域事務所（フィリピン）（2009年～2012年）
  • 緊急支援フィールドオフィス所長、ユニセフ（ミャンマー・ボガレ）（2008年）
  • 保健・栄養プログラム担当官、ユニセフ（ミャンマー・ヤンゴン）（2005年～2008年）
  • 助教、長崎大学熱帯医学研究所（日本）（2004年～2005年）
  • 医師、国境なき医師団フランス（スリランカ）（2001年～2002年）
  • 医師、医療法人財団健康文化会小豆沢病院（1996年～2000年）

    最近の5つの出版物

    1. Youngkong S, Kamolwat P, Wongrot P, Thavorncharoensap M, Chaikledkaew U, Nateniyom S, Pungrassami P, Praditsitthikorn N, Mahasirimongkol S, Jittikoon J, Nishikiori N, Garcia Baena I, Yamanaka T. Catastrophic costs incurred by tuberculosis affected households from Thailand’s first national tuberculosis patient cost survey. Sci Rep.2024; 14(1): 11205. 
    2. Portnoy A, Yamanaka T, Nguhiu P, Nishikiori N, Garcia Baena I, Floyd K, Menzies NA. Costs incurred by people receiving tuberculosis treatment in low-income and middle-income countries: a meta-regression analysis. Lancet Glob Health. 2023; 11(10): e1640-e1647.
    3. Yamanaka T, Garfin AMC, Gaviola DMG, Arao RM, Morishita F, Hiatt T, Nishikiori N, Yadav RP. Scoring tools to identify TB patients facing catastrophic costs in the Philippines. Public Health Action.2023; 13(2): 53-59. 
    4. Kilale AM, Pantoja A, Jani B, Range N, Ngowi BJ, Makasi C, Majaha M, Manga CD, Haule S, Wilfred A, Hilary P, Mahamba V, Nkiligi E, Muhandiki W, Matechi E, Mutayoba B, Nishikiori N, Ershova J. Economic burden of tuberculosis in Tanzania: a national survey of costs faced by tuberculosis-affected households. BMC Public Health. 2022; 22(1): 600.
    5. Florentino JL, Arao RML, Garfin AMC, Gaviola DMG, Tan CR, Yadav RP, Hiatt T, Morishita F, Siroka A, Yamanaka T, Nishikiori N. Expansion of social protection is necessary towards zero catastrophic costs due to TB: The first national TB patient cost survey in the Philippines. PLOS ONE. 2022; 17(2): e0264689. 

    メッセージ

    グローバルヘルスはいま、重大な転換点を迎えています。

    パンデミック、戦争、多国間主義や人権主義の揺らぎといった状況の中で、世界はかつてないほど不確実で分断されたものとなっています。これまで国際社会は、母子保健、感染症対策、低栄養、予防接種率の向上といった主要なグローバルヘルス課題に対して、着実な進展を遂げてきました。しかし近年では、紛争や政治的混乱によって、これらの成果が一部の地域で失われ、何十年にもわたる努力が損なわれる事態も起きています。同時に、保健援助の枠組みは急速に変化し、気候変動、環境悪化、社会的不平等といった地球規模の課題が差し迫る問題となっています。

    こうした時代には、これまでの成果を振り返るだけでなく、大胆な革新、新たな連携、そして専門分野や国境を超えたアプローチが求められます。これからのグローバルヘルスは、保健だけでなく、環境、経済、社会正義といった多様なシステムを横断的に捉え、最も影響を受けている人々と連帯して行動できる人によって築かれていくでしょう。

    グローバルヘルスは、必ずしも国境を越えることから始まるわけではありません。たとえば、移民の健康、環境、医療アクセスの格差といった課題に取り組むことは、自分の暮らす地域でも十分に可能です。グローバルヘルスとは、どこかの地域ではローカルヘルスなのです。

    この不確実で変化の激しい時代において、グローバルヘルスに求められるのは、科学的な知識だけではありません。共感する力、謙虚な姿勢、そして人の声に耳を傾ける勇気もまた不可欠です。遠くに行かずとも、グローバルヘルスは今あなたの足元から始めることができます。

    これからの道のりは決して平坦ではなく、明確な答えがすぐに見つかるとは限りません。けれども、好奇心、思いやり、そして正義感を持ち続けることで、すべての人の健康と尊厳が守られる、より公平でしなやかな世界を共につくっていくことができるはずです。

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