よくわかるSDGs講座シリーズ | アジア・アフリカの保健医療の現場を中心に、SDGsの全体像を習得し、企業・教育現場・市民社会などでSDGsを推進するためのヒントを探すための講座シリーズです。

第1回講座 誰一人取り残さないために

挨拶 片峰茂(長崎大学学長特別顧問)、根本かおる(国際連合広報センター所長)

講演 「UHCとSDGs」:武見敬三(参議院議員)

概要
・ハーバード大学武見プログラムの継承、小渕政権下での「人間の安全保障」外交。
・国連人間の安全保障委員会での健康議論の場づくり、MDGsでの目標設定。
・G8沖縄サミット、MDGs下での資金調達の拡大。
・G8洞爺湖サミット、個別疾患アプローチから保健システム強化、UHCの具体化。
・日本の保健システム・UHC分析、ランセット等への投稿、首相の発信。
・UHC達成と保健ファイナンシングの重要性、財務大臣の関与の強化。
・ポストMDGsとしてのSDGs、17目標、169ターゲットの設定。
・SDGs3.のテーマ(Healthy livesとwell-being)はまさに人間の安全保障。
・G7伊勢志摩サミットでグローバルヘルスの方向性をリード、資金コミットが重要。

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講演へのコメント:日下英司(NCGM国際医療協力局長)、牧本小枝(JICA研究所上席研究員)

概要
・SDGsが主流になることで保健は多数の他アジェンダとの競合。外務省の中でも保健の資金確保は他分野との競争。他国がうらやむ日本の国際保健プラットフォーム(日下)
・JICAのUHC取り組みは保健システム強化が軸、サービスと医療保障。ケニアで技協、無償、有償の包括的アプローチ。財政と行政の専門家人材の育成が課題(牧本)

会場との質疑応答

概要
Q1. 今後のODAの日本の貢献とリソースはいかに?
A1. 人材リソースの確保、技協・借款の連携、官民連携(牧本)、 国民の理解を高めればUHC支援ODA資金は拡大。専門性を持った戦略外交のできる人材を長期に育成・確保すること(武見)、日本はカタリストとしての役割大、そのための資金確保と政治家の役割大(日下)
Q2. 日本のUHCの強み、民間企業を伸ばす方策は?
A2. 皆保険は強みだが相手国の実情に合わせること。保健システム、ガバナンスが強み、イノベーションをまだうまく活用できていない(牧本)、 現場で相手に寄り添う協力実績が強み、イノベーションは、医薬品検査薬で大(日下)、UHC国際貢献に向けた国内の組織横断的仕組みつくりが必要。高齢化への対応の実績、民間のバイタリティの活用と強化、アジア健康構想(武見)
Q3. 原発災害をUHCに取り込まないのか?
A3. 山下先生の活動を支援。IEAなどを通じた連携と教訓の蓄積(武見)
Q4. UHCのための革新的な資金調達メカニズムは?
A4. SDGsの中での資金調達の競合・難しさ、IDA資金の活用のための技術的支援、そして民間の参画と資金期待(武見)

閉会の挨拶:國土典宏(NCGM理事長)、北潔(TMGH研究科長)